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人と文化が行き交う場
白城の里 旧大内邸

八女市立花町の山あいにある古民家「白城の里 旧大内邸」は明治から昭和の初期にかけて、日中友好親善につとめた政治家である大内暢三ちょうぞうの生家です。一時は廃屋寸前の状態になっていましたが、地元の方々を中心とする旧大内邸保存会が保存活動に取り組み、現在の姿に修復しました。今では、八女市指定文化財に指定され、この地域の文化を継承し、人々が交流する拠点となっています。

お知らせ

大内 暢三

大内暢三ちょうぞう

文化交流にかけた生涯

大内家は15・6世紀、周防国(山口県)に勢力をもつ大内義隆の義信を祖とする家系といわれています。大内暢三の父である大内精一郎は明治22年(1889年)には福岡県八女郡白木村の初代村長をつとめました。

11代目となる大内暢三は、明治7年(1874年)に白木村にて生誕。幼少より柳川・熊本で学び、東京専門学校(現・早稲田大学)を経て、アメリカのコロンビア大学に留学し、帰国後は貴族院議長近衛篤麿公の側近として活躍しました。

明治41年(1908年)、35歳で衆議院議員となり、昭和5年(1930年)まで国会議員として日中・日韓友好親善、東アジアの復興繁栄に尽力。犬養毅を助け、普通選挙法の実現にも貢献しました。

昭和6年(1931年)、中国上海市にあった中国・アジアで活躍できる人材育成を目指して設立された東亜同文書院大学の院長になると、第一・第二次上海事変の動乱の中において一貫して戦争拡大反対の方針を貫き、日中友好を説きました。特に文化的な面において日本と中国の交流を強調してきました。

昭和16年(1941年)に病のために職を辞した後、昭和19年(1944年)12月31日、享年71歳で逝去しました。

建物と歴史

旧大内邸は、立花町白木地区の山村には珍しく町屋造りの建築の特徴を残しており、大きな梁を使ったがっしりとした骨組みは豪農の風格を漂わせています。

明治17年(1884年)頃建てられた母家は大正初期と昭和初期に増築がなされ、明治、大正、昭和と三つの時代にわたる調和のとれた建築様式を同時に見ることができます。繊細な細工の施された欄間、継ぎ目のない長い木材を使った廊下、複雑な構造の松の太い梁、2階の天井を覆う竹なども見どころの一つです。なかでも書斎として使われていた2階の部屋は三方がガラスに囲まれ、光と風を存分に感じられる心地よい空間となっています。

しかし、旧大内邸はずっと現在の状態で保存されてきたわけではありません。約30年前、廃屋寸前の状態になっていたところを、田中真木さんをはじめ地域の人々が旧大内邸保存会を結成し、署名活動や「瓦一枚運動」(募金活動)、町への陳情などに取り組み、現在の姿まで修復してきたのです。そのかいあって、平成11年(2000年)、旧大内邸は町に寄付され、「有形文化財」に指定されました。

旧大内邸

食と文化

旧大内邸では地域の女性たちが「母の膳」と呼ばれる料理を振る舞ってきました。周辺でとれた野菜や山菜と対話しながら決めたという献立は、手作りの豆腐やこんにゃく、90年もののぬか床で作ったぬか漬け、野菜の煮物や白和え、赤い花びらが印象的な椿ずしなど、素材の味を活かすための創意工夫に富んだものでした。

そこには、旬の食材を「はしり、さかり、なごり」と捉えて、季節の移り変わりを慈しみながら料理をすること、皮から根っこまでできる限り食材を味わい尽くすこと、地域の中で収穫した野菜を分けあったり、野菜をいただいたお礼にそれを料理にしてお返しする小さな循環の仕組みなど、今こそ学びたい里山暮らしの知恵がつまっています。

文化をつなぐ
3つのプログラム

大内暢三の願った地域を超えた文化交流や、地域の人々が受け継いできた食と暮らしの知恵。私たちはそれらを滞在プログラムや食事の提供という形で、訪れる人と一緒になって後世につないでいきたいと考えています。

プログラム 01

里山暮らし
日々の手習い/四季の手習い

旧大内邸が位置する八女市立花町は、春はたけのこ、夏はトマトやゴーヤ、秋から冬は里芋やみかん、キウイフルーツ、いちごと四季折々の実りに恵まれた地域です。鍛治工場や竹細工の工房などもあり、暮らしの中にものづくりが息づいている土地でもあります。そんな八女市立花町に滞在し、地元のお母さんや農家さん、職人さんから、里山暮らしの知恵を教わることで、ともすれば失われていく地域文化を未来に向けて継承していくためのプログラムです。

日々の手習い(通年で実施)

八女市立花町に半日〜1日滞在し、地元のお母さんと一緒に木灰を使ってこんにゃくを作ったり、野菜を収穫してぬか漬けを作ったりする中で、里山の食と循環を共に考える時間をお過ごしください。

詳細はこちら(COMING SOON)

四季の手習い(季節ごとに変化します)

春はたけのこ掘りと竹細工の工房見学、初夏は地元の酒蔵のお酒を使った梅酒作りや梅干し作り、秋は芋まんじゅう作りと鍛冶工場見学、冬は高菜漬け作りと木桶の工房見学と、四季折々の里山の暮らしを体感できます。

詳細はこちら(COMING SOON)

プログラム 02

白城のおだいどこ
「よーらこんね」のランチ/kumuの喫茶

白城のおだいどこ 「よーらこんね」のランチ

地元のお母さんたちが作っていた「母の膳」を、若い世代の女性たちが新しい形にして受け継いでいきます。立花でとれる旬の素材を使った野菜中心のランチをお楽しみください。※要予約

〇里山御膳:2,000円(消費税込)
旬の食材を使ったお料理、ドリンク、デザート
※各日、予約数に達し次第受付を終了します。

〇提供日:土・日・祝日のみ 
※11時、12時、13時からの提供となります。
お時間はご予約の際にご相談ください。

〇予約先:白城のおだいどこ よーらこんね
TEL:090-4940-5381(担当:中島)
※ご希望日の3日前までに要予約。

kumu の喫茶

小麦粉、卵、季節の果物、自然豊かな八女や周辺の食材と思いを組み立てお出ししてます。
※ご予約不要です。

〇メニュー:季節の焼き菓子、ドリンク
〇営業時間:11:00-17:00(O.S 16:00)
〇喫茶定休日:火曜日と水曜日(祝日の場合は営業)

喫茶 詳細はこちら

プログラム 03

シェフ・イン・レジデンス2022

旧大内邸を中心に八女市立花町で受け継がれてきた食文化を外部の食の専門家と一緒に継承・発展させていきたいという思いから、東京都台東区鳥で暮らしから循環を考えることをテーマにしているélabオーナーの大山貴子さんとシェフの青柳陽子さんに2022年8月と9月の2回にわたり立花に滞在してもらいました。
二人の目から見た立花の食と循環の営みとは?立花の人々と二人の間にどんな化学反応が起きたのか?さまざまな気づきにあふれた滞在レポートをご覧ください。

※シェフ・イン・レジデンスは観光庁「サステナブルな観光コンテンツ強化モデル事業」の一環としての取り組みです。

シェフ・イン・レジデンス詳細
旧大内邸

周辺の紹介

八女市立花町は傾斜地に柑橘類やキウイの果樹が立ち並ぶ美しい山里です。
また、旧大内邸以外にも、谷川梅林、男ノ子大仏、田崎廣助美術館、道の駅たちばななどの見どころがあります。

旧大内邸

住所

〒834-0084 福岡県八女市立花町白木3245 Google Map

見学

開館時間:9:00〜17:00
休館日:火曜日(火曜日が祝祭日の場合は翌開館日)、年末年始

アクセス

車でお越しの方

九州自動車道・八女ICより 約15km

電車でお越しの方

JR羽犬塚駅よりタクシー 約20km

バスでお越しの方

八女・福島バス停よりタクシー 約10km

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